「天才」が代表入りに名乗りを上げた。パナソニックのSO山沢拓也(23)が16日、都内で行われたラグビー日本代表候補の強化合宿に参加し、存在感を示した。雨の中、約5カ月ぶりの合宿で猛アピール。戦術を確認しながらパスを出し、司令塔として積極的に声を張った。今月末から始まる日本代表戦に向け「知らないことだらけなのでコミュニケーションが大切。代表は戦い。しっかりアピールしたい」と力を込めた。

 19年W杯日本大会のエース候補として注目されてきた。埼玉・深谷高3年でエディージャパンの合宿に高校生で唯一招集された。正確なキックと卓越した状況判断にエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ(HC)は「若手にない感覚を持っている」と将来性を高く評価。しかし、筑波大時代は前十字靱帯(じんたい)断裂など左膝の大けがを2度負った。

 昨年8月には大学生初のトップリーガーとなり、トップリーグで開幕8連勝中の強豪でもまれてきた。今季は途中出場が多いが、ジェイミー・ジョセフHCは「若いし、ポテンシャルも高い。(報道陣の)みなさんも山沢好きだが、自分もそう」と絶賛する。今回の合宿は今日17日までで、代表メンバーは19日に発表される。山沢は「ここまできたら最後まで残りたい」と気合を入れた。【峯岸佑樹】

 ◆山沢拓也(やまさわ・たくや)1994年(平6)9月21日、埼玉県熊谷市生まれ。ポジションはSO、FB。中学まではサッカーでFW。埼玉・深谷高からラグビーを始め、3年時に日本代表候補に選出される。高校、U-18、U-20と各世代の日本代表も経験。筑波大4年の昨年8月に学生初のトップリーガーとしてパナソニックに加入。176センチ、85キロ。