アルペン復活に向け、強化計画が動きだした。全日本スキー連盟は10月31日、都内で、18年平昌五輪シーズンに向けた有力日本選手の記者会見を開いた。同五輪に06年トリノ大会以来3大会ぶりのアルペン日本女子派遣を決めた。加えて18-19年シーズンから海外と国内に強化拠点を設けることも分かった。

 全日本スキー連盟が女子の再強化に乗り出す。皆川賢太郎本部長は「日本の1番が五輪に出る。それが明確で透明」と、12月26日開幕の全日本選手権技術系(北海道・阿寒)の男女回転、大回転の優勝者を平昌五輪に派遣することを決めた。女子は五輪3大会ぶりの代表選出となる。

 過去、五輪で男子は56年大会の回転で猪谷千春が銀メダル。W杯でも表彰台に乗ってきた。一方で女子は五輪で92年アルベールビル五輪の川端絵美の滑降11位が最高。10、14年五輪は世界で戦えないとして派遣が見送られた。しかし、平昌五輪は方針転換し「誰にでもチャンスを与えたい」(皆川本部長)と世界の経験を積ます方針だ。

 平昌だけではない。既に22年北京五輪を目指し、来季から強化拠点であるトラの穴をつくる。皆川本部長は「チームと環境を(協会が)担保しないと強化にならない」と明かす。同本部長によると、拠点は「オーストリア、中国の長春、そして国内」の3カ所となる予定。これまでもオーストリアなどを拠点としたが、あくまでも暫定的なもの。今回はナショナルトレセンの意味合いを持たせ、長期での強化を図る。冬季五輪の華、アルペンの逆襲が始まる。

 ◆アルペンスキー五輪代表選考基準 1カ国及び地域で最大22人、1種目男女各最大4人。18年1月22日の国際スキー連盟(FIS)ランクで500位以内に入っていれば、各国最低男女1人の枠が与えられる。また、同日のW杯ランクでトップ30に1人入っていれば、その選手が出場権を得る。国内選考は、昨季と今季のW杯と世界選手権で8位以内1回か、20位以内2回以上。加えて技術系は全日本の優勝者。