日体大の横浜・健志台キャンパス(横浜市青葉区)で1日、ビーチバレーコート竣工(しゅんこう)式が行われた。

 20年東京五輪・パラリンピックに卒業生を含めて70人を超える代表を送り込み、8個の金メダル獲得を目標に掲げる同大にとって、最新の競技力向上基地になる。

 緑に囲まれた健志台キャンパスの西門から小高い丘を登ったところにビーチバレーコート1面が完成した。敷地面積1008・43平方メートルで、総工費は約1億3000万円。敷き詰められた砂は青森県六ケ所村の海岸から特別に取り寄せたものだ。さらに敷地内には災害時に地域住民の避難場所になる多目的スペース、防災倉庫やトイレも設置されている。

 あいさつに立った松浪健四郎理事長(71)は「代表選手をつくるのに、ビーチバレーは手っ取り早いかもしれないかな、ということです」と、来場者の笑いを誘いながら狙いを説明。具志堅幸司学長(60)は「このコートは、東京大会での本学の目標を達成するためにとても重要な施設になります」と、日本代表育成へ力を注いでいくことを表明した。

 竣工式後のエキシビションマッチに参加した日本のトッププレーヤーで大学院2年の草野歩(32)は「六ケ所村の砂は10種類ぐらいあったサンプルの中から私が選ばせてもらいました」。色が白くて固まりにくく、水を吸ってもサラッとしている、国内でも最高峰の砂で「こんなコートをつくっていただいて責任重大ですね」と笑顔で言った。現在は草野ら女子4選手がビーチ専門プレーヤーとして活動しているが、今後選手数も増やしていく方針だ。

 OBで日本ビーチバレー協会会長も務める川合俊一氏(54)も「日本ではまだマイナーですが、欧米ではサッカーと並ぶ人気競技。選手はもちろん、素晴らしい指導者もこのコートから育ってほしい」と期待を寄せた。

 関係者によると日本の大学でビーチバレーコートを持つのは産業能率大、武庫川女子大、鹿屋体大で、日体大は4例目になるという。【小堀泰男】