全国高校ラグビー大会で4度の優勝を誇る伏見工・京都工学院が“最後の花園”をかけて、宿敵京都成章との決勝戦に臨んだ。

 昨年4月の学校統合により、伏見工の3年、京都工学院の1、2年が在籍。今季限りで「伏見工」の名はラストになる。

 泣き虫先生こと山口良治総監督(74)が、荒れた学校を率い、79年度に全国大会初出場。翌80年度に初の全国制覇を果たした。その快進撃はドラマ「スクール☆ウォーズ」として描かれ、当時の視聴率20%を超えた。会場には山口総監督、同校OBで元日本代表の大八木淳史氏らもかけつけた。

 京都成章は春の選抜大会で全国準優勝を果たしている。

 圧倒的不利がささやかれる伏見工・京都工学院は、前半12分、自陣深くからWTB藤井健太郎(3年)が独走。ゴール前5メートルまで迫りながらノックオンの反則。その後も相手ボールを奪って敵陣で攻め続け、FWのタテ突破から同15分にPR山田洋裕(3年)がポスト左に先制トライを挙げた。ゴールも成功し、伏見工・京都工学院が7-0とリードした。

 前半終了間際には京都成章が、敵陣5メートルまで迫った。京都成章はPGを狙わず、ロスタイムまでFW陣が攻め続けた。約30センチを巡る攻防は、伏見工・京都工学院が執念の守備で守りきった。

 前半は伏見工・京都工学院が7-0とリードして折り返した。

 後半に入ると、京都成章の展開力が上回った。後半2分に京都成章は左展開からWTB笹岡海斗(3年)がトライを挙げて5-7。同11分にも京都成章がトライとゴールを奪って12-7と逆転に成功した。

 伏見工・京都工学院は後半は相手陣に入ることもできず、同25分にもトライとゴールを許した。最後にはPGも決められた。

 京都成章が22-14で逆転勝利。伏見工・京都工学院は、伏見工の名前が残るラストイヤーの花園出場を逃した。