“最後の花園”出場を逃した伏見工・京都工学院の高崎利明ゼネラルマネジャー(GM)が、昨年10月に他界した同校OBで元日本代表監督の平尾誠二さんを思いやった。

 号泣する部員の横で取材に応じた同GMは「アイツ(平尾さん)はきっと『たいしたことないな~』って言っているでしょうね。『あれがアカンからや、これがアカンから負けたんや』という話をすると思います」としみじみと語った。

 平尾さんとともに80年度に初の全国制覇を達成した同GMは、後半ロスタイムにWTB藤井が奪った執念のトライを振り返り「本当なら、最後のあのトライで逆転勝ちをしないといけなかった。我々は勝つために試合をしている。負けていい試合はない」と指摘した。

 京都成章には春の総体で0-41で敗れており、同GMは「大敗してもおかしくなかった。決勝は伏見のプライドを捨てて、勝つために戦った。相手に攻めさせると必ずトライを奪われる。ボールを与えないために、グラウンドを広く使うラグビーをあえて捨てた。その中でよくやってくれたと思う」と部員をたたえた。

 松林拓監督は「伏見工の名前はすごく重かった。これは仕方のないことだが、いつか伏見工の歴史は終わりが来る。全国に行って、花園で活躍させてやりたかった」と人目をはばからずに男泣きした。