平昌(ピョンチャン)五輪出場はない!? 全日本スキー連盟(SAJ)は4日、都内で理事会を開催。15年の米国合宿中に大麻を使用したとして、16年4月に競技者登録の無期限停止を科したスノーボード男子選手(当時未成年)の処分解除を決めた。

 国際スキー連盟(FIS)主催大会などに参加が可能となるが、強化指定選手から外れており、五輪代表選考大会のワールドカップ(W杯)には派遣されない。実質、平昌五輪の道は絶たれた。皆川賢太郎競技本部長も「特例をつくる気はない」と追加で強化指定する考えはないと明言した。

 同選手はSAJによるボランティアなどの更生プログラムを今年1月に離脱。渡米してXゲームに出場していた。しかし、9月の理事会で「五輪に出たい」と登録復帰を懇願。10月からSAJは本人や家族から6回以上のヒアリングを行い、プログラムを再開していた。

 今回の決定でプログラムを途中離脱しても再開すれば、競技に復帰できる前例ができたが、皆川本部長は「人間はいろんなミスをする。更生させることが大事」と語った。元判事ら外部識者3人で構成された更生評価委員会もプログラム再開後の真面目な態度を認め、処分解除を推薦した。

 ◆SAJ強化指定選手 一般は次期五輪でメダルの可能性があるAランクから、Cランクまであり、その下にジュニアとユースがある。対象は前年度の全日本選手権に出場した選手。強化指定のない選手はW杯や世界選手権へ派遣されない。五輪代表選考対象大会のこの2大会に出られない選手は五輪への出場は不可能に近い。