男子でSP2位の宇野昌磨(19=トヨタ自動車)がフリー1位の184・50点を記録したが、合計286・01点の2位で初優勝を逃した。

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 宇野選手は本当に惜しかった。点差は0・50。前日のSPで時間オーバーで1点減点となったケアレスミスが悔やまれる。

 フリーで気になったのは、中盤のコンビネーションスピンのミスだ。キャメル(上半身と片足を水平にする)スピンで回転数が足りていなかったため、基礎点が下がってしまった。曲に良く合った振り付けではあったが、取りこぼさないよう、しっかり数えてほしい。ステップでも最高評価のレベル4ではなく3となった。宇野選手は演技構成点でしっかり評価を得られる分、今後はこういった細かい部分に気をつけていってほしい。大舞台では細かなミスが勝負を決めるかもしれない。

 チェン、コリャダら上位選手にジャンプミスが相次いだが、守りのプランに変更することは、どの選手もないだろう。あらためて分かったのは、トップ選手の練習での地力がほぼ変わらないということ。試合でいかに精度の高い演技ができるかで、すべてが決まる。(10年バンクーバー五輪代表、11年世界選手権銀メダリスト)