全国高校ラグビー2回戦が今日30日、大阪・花園ラグビー場で開催され、東海大静岡翔洋はシード校の佐賀工と対戦(第3グラウンド、午後0時45分開始)する。静岡県代表は3大会連続2回戦敗退で、NO8佐藤空翔主将(3年)は「静岡県はなめられいる」と話す。だが、選手たちは気持ちを1つに「シード校撃破」を目指してきた。今の思いは「相手を見返したい」。負の歴史を変える時が来た。

 東海大静岡翔洋は29日、大阪府内の東海大仰星グラウンドで最終調整した。パス練習を繰り返し、最後にA・D(アタック・ディフェンス)練習を行った。相手は東海大仰星OBだ。メンバーには、U-20日本代表SO岸岡智樹(早大2年)、関西大学Aリーグ得点王のFB河野翼(京産大4年)らがおり、真崎智央監督(34)は「ダメもとでお願いしたらOKをもらえて、最後に良い練習になりました」と感謝を口にした。

 選手たちは、大学選手の速いパスに対応できず、簡単にゲインラインを突破された。だが、スタッフ陣にディフェンス陣形の修正を指摘されるや、ボールを奪う機会が増した。今月3日、10日にも東海大での実戦練習で、大学選手の強さと速さを経験。佐賀工戦に向けて、佐藤主将は「速いテンポに目を慣らせたので、しっかり前に立って、低いタックルで確実に止めたいです」と言った。

 一方で、早大の岸岡は、東海大静岡翔洋について「仰星に比べてコミュニケーションが少ないし、穴が見つかったと思う」と指摘した。その上で「力や速さは1日では手に入らないけど、声はすぐに出せる。今日は監督が指示を出していたけど、選手から出るようになれば、チームのレベルが上がるので頑張って欲しい」とエールを送った。

 格上にぶつかる前に得た最高のアドバイスだった。昨年、県代表の浜松工は、2回戦で優勝校の東福岡に0-139。歴史的大敗は、自分たちのことではないとはいえ、佐藤主将は「静岡がなめられているので、見返したい。歴史を変えます」と言葉に力を込めた。県勢初のシード校撃破を達成すれば、開会式で歩いた第1グラウンドに戻ってこれる。自分たちのために、静岡県のために体を張る決意だ。【大野祥一】