元世界ランク4位で現在は同27位の錦織圭(28=日清食品)が、復帰2戦目で決勝に進出した。

 同234位の荘吉生(台湾)に6-4、6-4のストレート勝ち。ツアー下部大会としては、10年11月の米ノックスビル大会以来の決勝進出で、「少しでも良くなっているのを感じられるのはうれしい」と、ツアー下部大会通算6勝目に王手をかけた。決勝では、若手の注目株で、先の全豪オープンでは予選を突破。2回戦に進んだ同158位のマクドナルド(米国)と対戦する。

 錦織は、滑り出しからミスが生まれ0-2とリードを許した。すぐに追いつくが、お互いにサービスゲームをキープできないブレーク合戦。その中でも、最後に要所を締めた錦織が、第1セットを6-4で奪うと、第2セットも、そのまま突き放した。

 昨年8月に右手首の腱(けん)を脱臼したのは、サーブの練習の時だった。復帰後は、そのサーブのフォームを、手首に負荷がかからないものに改良中で、まだ安定しない。「(下部大会に出場した)この2週は練習だと思っていた。(自分に)期待していなかった」。

 加えて、今大会4試合を戦い、久しぶりの連戦が続く。下部大会とはいえ、練習では味わえない実戦の緊張感が続き、両足には疲労がたまっているようだ。それでも、復帰2戦目で早々と決勝に進出。「(右)手首の調子が先週よりはるかに良くなっている。それが一番いい証拠」。まずは優勝で、2週後のツアー復帰戦に弾みをつける。