元世界4位で同27位の錦織圭(28=日清食品)が、復帰2戦目で優勝を飾った。米国期待の若手で同158位のマッケンジー・マクドナルド(22)に6-1、6-4のストレート勝ち。昨年8月に負った右手首の腱(けん)の脱臼から復帰後6試合目で、初めて自分のサービスゲームを1度も落とさない快勝。ツアー下部大会通算6勝目を挙げ、12日から始まるツアー復帰戦ニューヨーク・オープンに弾みをつけた。

 下部大会とはいえ優勝は優勝だ。マッチポイントで相手のバックがラインを割ると、さすがの錦織も万歳した。「今日の試合は、復帰後最高のプレーだった。1試合1試合、良くなってきた」。世界トップ5の底力は衰えてなかった。

 相手は1月の全豪で予選突破し、2回戦では世界4位のディミトロフ(ブルガリア)を金星寸前まで追い込んだ。タフな相手とみられたが、第1セット1オールから5ゲームを連取。「(感覚的に)試合に戻ってきた感じがする」と1度も自分のサービスゲームを落とさなかった。

 12日からツアー大会に復帰する。ニューヨーク・オープンには、イスナー(米国)クエリー(米国)アンダーソン(南ア)と爆弾サーブの持ち主がそろう。この2週間、最大の収穫は右手首に違和感こそあれ、十分に使えたこと。「タフな試合も何個か切り抜けてこられたので、いい経験になった」。時速230キロ前後のサーブに挑み、完全復活ののろしを上げる。