「新生サンウルブズ」が善戦した。スーパーラグビー(SR)参戦3年目の日本チーム、サンウルブズが今季初戦で昨季4位のブランビーズ(オーストラリア)に25-32で逆転負け。それでも日本代表選手とSRの経験豊富な新外国人選手の“コラボ”でチーム力は向上し、7点差以内で得られるボーナス勝ち点1を得た。第2戦は3月3日にレベルズ(オーストラリア)と秩父宮で対戦する。

 オオカミ軍団が進化した。サンウルブズは前半9分、モールで初トライを奪うと、その後も低い高速タックルとボール回しで圧力をかけた。同18分にCTBラファエレ、同28分に新加入のWTBサウマキがトライを挙げて19-15で折り返した。後半は3トライを決められて逆転を許した。10点差の終了間際、敵陣ゴール前での連続攻撃で反則を誘発し、PGを決めて7点差に詰め寄った。2年前に5-66で敗れた相手と互角に渡り合い、ボーナス勝ち点1を得た。

 今季から日本代表との指揮官を兼任するジョセフ・ヘッドコーチ(HC、48)は「課題も残るが、このレベルの強豪相手に戦っていける自信を得られた」と手応えを口にした。昨季は2勝13敗で全18チーム中17位に終わった。同HCは19年W杯(ワールドカップ)を見据えての代表強化を目的とし、この日の先発15人中8人は新戦力を並べた。日本代表の主力や外国人選手が増えて様変わりし、7カ国の選手が集まった多国籍軍となった。

 準備期間は昨季よりも1週間長い約1カ月。1月末からの九州合宿では、課題の肉体的な弱さを解消するために外国人選手含む計44人が集合した。早朝、午前、午後の3部練習を行い、自衛隊別府駐屯地では各自20キロの装備品を担いで13キロ歩くなど“鬼トレ”を敢行。通常、自衛隊員が2週間かけて行うメニューを、2日間で終えた。プロップ稲垣は「厳しい練習を共有したことでチーム力が上がった。間違いなく成長している」と言い切った。

 3年目はこれまでにない手応えと悔しさを抱いて幕を開けた。SH流主将は「全員がアタックマインドがあるラグビーをして、勝って自信をつけるだけ」と力を込めた。【峯岸佑樹】