世界のヤマシタが、スポーツを通じた友情の大切さを熱く語った。

 全日本柔道連盟の山下泰裕会長(60)は12日、エジプト柔道連盟ゼネラル・アドバイザーに就任したモハメド・ラシュワン氏(62)と会談。2020年東京オリンピックに向けて両国の協力関係を構築するための話し合いの後「人間として心から尊敬できる」と、リオデジャネイロ五輪以来2年ぶりの再会を喜んだ。

 1984年ロサンゼルス五輪無差別級決勝、対戦相手がラシュワン氏だった。右足を負傷していた山下氏は相手がバランスを崩したのを見逃さずに寝技に持ち込み横四方固めで一本勝ち。悲願の金メダルを獲得した。

 ラシュワン氏は相手のケガにもかかわらず正々堂々と戦い、表彰台に上る時にも手を貸した。この行動が絶賛されて、この年のユネスコ国際フェアプレー賞を受賞している。

 山下氏はピョンチャンオリンピックのスピードスケート女子500メートルレース後の小平奈緒と韓国の李相花を見て「我々の姿とダブった。国境を越えて互いに理解し、尊敬し合える選手がいる。2020年にも、そういう交流をしてほしい」と話した。

 ラシュワン氏も「フェアプレーはスポーツのすべて。私は日本から学んだ」と言い「今後もずっと(山下氏との)友情が続けばいいと思っている」と話していた。