新潟アルビレックスBBは、琉球ゴールデンキングスとの激戦を88-84で制し、西地区優勝へマジック1の相手に胴上げの瞬間を許さなかった。立ち上がりからリードを保ったが、66-48の18点リードで迎えた第4クオーター(Q)には一時、1点差に迫られる辛勝だった。中地区5位の新潟は強敵に勝ち、チャンピオンシップ(CS)進出へ可能性を維持した。

 新潟は自分たちの「庭」で琉球に歓喜のシーンを作らせなかった。西地区の首位を走る相手に快勝して、地区優勝の喜びを先送りにさせた。相手にとって地区優勝が関わるゲームなら、新潟にも重要な試合だった。PG五十嵐圭(37)は「地区優勝を見届けるような悔しい思いはしたくない」と言った。その意識を全員が共有していた。

 気迫を全身に充満させてメンバーは試合に挑んだ。その1人が琉球が古巣のPFラモント・ハミルトン(34)だ。「特に楽しみにしていた」と元同僚との再会を喜びながらも「残されているCSのチャンスをもぎ取る」と集中してプレー。前半だけで豪快なダンクシュートを2本決めるなど、コートで暴れた。Bリーグ通算1000得点へあと26点と、大台到達が迫っていたのもモチベーションになった。「できるだけのことはやる」。この日14点を獲得し、きょう15日の同カードに12点だけ積み残した。

 Bリーグ通算500アシストに、3本を残して試合に臨んだPG五十嵐も、奮闘した。第3Qで大台(4アシスト)を達成し、持ち前のシュート能力を見せてチーム最多タイの22点を稼いだ。「まずはチームの勝利が一番。個人の数字がついてくるのは後から」。思いを勝利で実らせた。「目標のCSに自力で行くためには、1試合も負けられない状況」。新潟の奮戦は続く。