「田南部ジュニア」が奮闘した。レスリング女子五輪4連覇の伊調馨(33=ALSOK)を巡るパワーハラスメント問題で、伊調を指導していた田南部力氏(42)の長女夢叶(ゆめか、18=日体大)が女子59キロ級で準優勝した。

 決勝の相手は16年全日本選手権55キロ級覇者の南條早映(18=至学館大)。中学時代にJOCエリートアカデミーで切磋琢磨(せっさたくま)した仲間でもあり、公式戦では約8年ぶりの対戦となった。日体大コーチの力氏がセコンドを務め、田南部は積極的に低いタックルで攻撃を仕掛けたが、0-10のテクニカルフォール負けを喫した。「全力で当たったが力負けした。ローリングも入りきれなかった。中学生の時、ボコボコにされたのを思い出した」と苦笑いした。

 田南部は普段57キロ級で出場するが、今回はあえて減量しない59キロ級で挑戦した。「(新ルールの)当日計量を減量のないちょうど良い階級で試してみたかった」と話した。

 4歳の時、北海道・岩内町商店街で行われた「現金つかみ取り抽選会」で特賞を獲得し、5000円札を39枚(計19万5000円)つかんだ強運の持ち主。今春、日体大に入学して新生活が始まり「特化した体育の勉強ができていい刺激になっている。毎日が充実しているし、20年東京五輪出場などの夢や目標に向かって頑張りたい」と前を向いた。

 また、男子カデ48キロ級フリースタイルでは長男の魁星(かいせい、千葉・日体大柏高1年)が優勝。きょうだい2人が表彰台に立ち存在感を示した。