富士通が3年連続日本一へ向け、まずは今季初戦を白星で飾った。

 QBキャメロン、RBゴードンの2枚看板が引退したが、攻守に実力の違いを発揮。前半で5TDをマークして35-3とリード。第3QにTDを許したものの、49-10で順当に勝利を収めた。

 2度目の攻撃でRBに入った本来LBのニクソンが、タックルを振り切って59ヤード独走TDランを挙げて先制した。続く攻撃でも39ヤード、後半にも4ヤードと3TDランをマークした。「元はRBの方が好きだった。コーチはRBであまり使いたがってなかったが、楽しかったよ」。久々のランで3TDにご満悦だった。

 高校まではRBとLBで攻守両面出場していた。USCやUCLAにはRBで勧誘されたが、単位が足りずに入学できず。ジュニアカレッジ、ニューメキシコ大ではLBに専念していた。藤田ヘッドコーチは「守備は練習しなくてもできる。RBは本人がやりたがっていたので。トライアウト。合格かは分からない。素人のバックでしょ」と笑った。

 昨季エースのキャメロンが引退し、現在も後継となる米国人QBを探している。藤田ヘッドは「穴を埋めきるのは難しい。他でプラスアルファしていかないと」と話す。QBは高木が先発し、昨季2番手だった平本との併用でともにパスでTDは1本にとどまった。「今はある戦力でやるしかないし、これで成長してくれればいい」とも話した。

 12人が引退し、新人9人が入団とチーム全体も様変わりしている。藤田ヘッドは「まだ6割だが、新人も入れて全員出場できたのがよかった。守るものはなく、みんな連覇したことは忘れた。うちは追いかける立場」と一から再出発を強調した。次戦は1カ月後の5月20日で、最大のライバルと言えるオービックと対戦する。【河合香】