日本が通算3勝2敗で英国に勝ち、14年以来5年ぶりにワールドグループ2部復帰を果たす。日本は第1試合のエース対決で、世界22位の大坂なおみ(20=日清食品)が敗れ1勝2敗と崖っぷちに追い込まれた。それでも続く同100位の奈良くるみ(26)が勝ち、最後のダブルスで加藤未唯(23)二宮真琴(23)組が逆転勝利を収め、総合力で英国を破った。

 最後は「思い切りぶつけてやろう」。二宮の目の覚めるようなフォアのリターンだった。英国両選手の間をきれいに抜け、日本の昇格が決まった。「すごくうれしい」と加藤が興奮すれば、二宮も「ホームでこんなに多くの人に応援してもらえた」と声が震えた。

 代表4人全員が勝ち星を挙げた。この日はエース大坂がコンタにストレート負け。1勝2敗ともう1敗もできない状況から奈良がワトソンにストレート勝ちし、最後は加藤、二宮組が鮮やかな逆転勝利だ。実は土橋監督には2勝2敗になっても勝てるという計算があった。加藤と二宮はともにツアーでダブルス優勝があるコンビ。この日のために、今季は5大会連続でペアを組んだ。「プラン通りといえばプラン通り」。

 日本語が苦手な大坂がチームにとけ込むよう、円陣のかけ声を任せた。初めは遠慮していた大坂も最後は小さな声で「ファイト!」。大坂を自然にプレーさせるだけでなく、大坂だけに頼らない団結力で、日本が誇れる勝利を挙げた。【吉松忠弘】