アメリカンフットボールの定期戦での悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた日大の宮川泰介(20)が22日、都内の日本記者クラブで会見を行い、内田正人前監督、井上奨コーチらから反則行為の指示があったことを明らかにした。この会見は、弁護士の同席、顔出しOKという2点で異例だった。

 日本記者クラブでは、会見者側が弁護士の同伴を要望した場合、会場内の待機は認めても、壇上での同席は認めていなかった。今回は、会見者が20歳になったばかりの学生であり、今後の責任問題も絡むことから、特例で弁護士の同席が認められた。

 また、代理人の西畠正弁護士は宮川があえて顔を出すことを「異例」とし、それが本人と家族の希望であると明かした。「20歳をすぎたばかりの未成年に近いような方が顔を出すリスクは承知していますし、ご本人、両親にその話もしました。しかし、ご本人、両親とも、この会見は事実をつまびらかににするだけでなく、むしろ被害選手とそのご家族、関西学院大アメリカンフットボール部への謝罪の意味が強いという、捉え方をしている。一言でいうと、顔を出さない謝罪はないだろう、と。それで、あえて撮影を受けることにしました」と説明した。

 西畠弁護士は、さらに「長い将来のある若者です。この先、不測の事態があるとも、被害に遭わないとも限りません。できれば、ずっとアップで撮るようなことは避けるよう、配慮をいただければと思います」と報道陣に配慮を求めた。