アルバルク東京が東地区王者の千葉ジェッツを85-60で破り、Bリーグの2代目王者に輝いた。

 千葉の富樫勇樹(24)は、3季目での優勝を目の前で逃し「島田社長に限らず、ファンに感謝と申し訳ない気持ち」と肩を落とした。富樫と島田慎二代表取締役社長(47)には不思議な縁がある。15年2月、NBA下部リーグでプレーしていた富樫は右足のけがで帰国し、NBLトヨタ自動車(現A東京)戦を観戦。会場で島田氏は「僕も新潟出身です」と富樫にあいさつし、名刺を渡したのが初対面だった。

 同年4月ごろ、島田氏の元に富樫のファンという女性から富樫の財布を拾ったと連絡が入る。電車内で落とした財布に、島田氏の名刺があった。富樫と同じ日本代表の小野を通じて財布がある警察署を伝え「海外挑戦頑張って」と励ました。同年8月、富樫はイタリアのクラブに入団するも本契約には至らず帰国。富樫から「チームに空きはありますか」と尋ねられた島田氏は、独断で「空きはないけれど来てほしい」と即答。同年9月28日、リーグ開幕11日前に千葉への電撃入団が決定した。

 島田氏が常に言う「昨年を上回る」の言葉通り、富樫中心の走るバスケで昨季の8強から着実に成長している。【戸田月菜】