上位進出のポイントは川内方式! 日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(61)が31日、20年東京オリンピックのマラソンコース決定を受け、日本勢に後半の粘りを要求した。

 都内で理事会に出席後、取材に応じた。コースのポイントとなるのは、37キロ以降に続く上り坂。高低差は約30メートルある。「暑さ、後半の上りでスタミナを消耗することは間違いない。前半で離れても我慢いけば、川内方式で後半逆転できるコース。最後まで諦めずに走れば思わぬ展開になる。坂をチャンスだと思う人が、いい成績を出すと思う」と力を込めた。

 猛暑に加え、後半に難所が待ち受けるが、厳しいのはアフリカ勢も同じ。日本勢にとって、スピード勝負なら勝ち目は薄いが、粘り合いなら戦える。昨夏の世界選手権、川内は転倒に給水失敗もあって早々と先頭集団から脱落し、失速。しかし、終盤で息を吹き返すと、日本勢最高の9位でフィニッシュした。東京は高速決着が見込めない舞台だからこそ、川内のような不屈の走りができれば、順位は上がる可能性は高い。

 女子は20年8月2日、男子が同9日の予定。スタート時刻は朝で調整されているとはいえ、男子は2時間10分、女子は2時間21分以内で走るのは「難しい」と捉える。瀬古氏は「しっかりした練習と暑さ対策、心の準備が大事。日本人の戦えない記録ではない」と語った。

 コースは新国立競技場発着点として浅草・雷門や銀座、東京タワー、皇居など都心の名所を巡る。折り返しは増上寺と二重橋前付近の2度。最高点は約34メートル、最低点は1メートルとなっている。