女子55キロ級で向田真優(20=志学館大)が、決勝で五十嵐彩季(志学館大)との同門対決を9-0で制し、10月の世界選手権代表(ハンガリー)を手にした。序盤にタックルから背後を奪い得点し、抑え込んだところで2度転がすなどで7-0でリード。流れをつかんでそのまま勝利をもぎとった。手の内を知っている相手だっただけにやりづらさはあったが「世界選手権の切符を取れて良かった」と安堵(あんど)の表情だった。

 敗戦がさらなる高みへと引き上げた。一昨年の世界選手権を制したが、昨年は銀メダルに終わった。以前は攻めきれない場面が多かったが、高い志を持つ先輩、後輩に囲まれ「刺激になっている」と話し、攻めのレスリングを手に入れた。セコンドについた吉田沙保里(35)が「誰が相手でも攻められるようになった」と成長を口にした。

 昨年12月の全日本選手権と今大会を制した選手は、そのまま世界選手権代表になる。リベンジの舞台が整い、「(世界選手権では)絶対に優勝したい」と強い決意を持って挑んでいく。