世界ランキング48位の日本が、同10位でNBA選手2人を擁するオーストラリアから金星を挙げた。B組で4戦全敗だったが、5戦目で悲願の勝利をつかんだ。1次予選突破、その先の東京五輪に望みをつなげた。

 第1クオーター(Q)、米ゴンザガ大でプレーする八村塁(20)が13得点を獲得。勢いを呼び込み23-16とする。第2Qも、4月に日本国籍を取得し初代表入りしたセンターのファジーカス・ニック(33=川崎ブレイブサンダース)が3点シュートを決め、15得点5リバウンドなど攻守で活躍。最大12点のリードを作り、42-33で前半を終える。

 第3Q、出だしからオーストラリアのペースにつかまり一時逆転を許すも、相手のファウルによって獲得したフリースローを確実に沈め、64-58と再びリード。第4Q、75-74と1点差に迫られる場面で司令塔篠山竜青(29=川崎)がディフェンスリバウンドを取り、走り込む。そのまま残り20秒5秒でレイアップシュートを決め77-74。11秒3で八村もダンクシュートを決め、79-78で勝利を収めた。

 1次予選は各組4チームがホームアンドアウェー方式で戦い、上位3チームが2次予選に進む。日本は昨年11月にアウェーでのオーストラリア戦に58-82で敗れたが、雪辱した。B組は各チーム5試合を終えて1位オーストラリア、2位フィリピン、3位台湾、4位日本となっている。日本は1次予選突破を懸けて7月2日に勝ち点6で並ぶ台湾(世界ランク55位)とアウエーで対戦し、勝てば2次予選進出が決まる。

 W杯アジア1次予選は東京五輪の予選となる。国際バスケットボール連盟(FIBA)は、五輪の開催国枠を無条件では与えていない。これまで国内リーグの統一、協会のガバナンス面での改善に務めてきた日本は、代表の強化をFIBAに認められれば開催国枠が与えられる。W杯では16強入りすれば確実とみられている。また、開催国枠の適用については、19年夏のFIBA中央理事会で最終判断される。