国際オリンピック委員会(IOC)の新委員候補に選ばれ、10月のIOC総会で就任の見通しとなった国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長(59)が20日、スイスのローザンヌで取材に応じ「正式に決定したら、体操だけでなく全てのスポーツに責任範囲が広がる。うれしさよりも重責を担う思いの方が強い」と心境を語った。

 2017年1月のFIG会長就任後は、パワハラやセクハラ対策としてFIGから独立した通報窓口の設置や、人工知能(AI)を活用した採点支援システムの開発促進など変革に取り組んできた。IOCが注目する若者に人気の都市型スポーツを集めた国際大会を広島に招致し、4月の開催で成功に導いた手腕も高く評価された。

 今月中旬には北朝鮮体操協会からの招待で平壌を訪問。「スポーツを通じて世界への扉が少しでも開けばいい」と述べ、国際平和への貢献にも意欲を示した。