日本大学アメリカンフットボール部が、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題で、日大の経営トップの田中英寿理事長(71)が、大学の公式サイトで「学生ファーストの理念に立ち返って」と題した文書を発表し、5月6日の関学大戦後、初めて一連の問題に関して謝罪し、自らの見解を明らかにした。

 田中理事長は、7月31日に都内で行われた関東学生アメリカンフットボール連盟の臨時理事会で、18年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止とした処分を解除しないことが決まった件について「本学アメリカンフットボール部の4年生は、最後のプレーをする大切な機会を失うことになりました。学生諸君には、誠に申し訳ないというしかありません」と謝罪した。

 関東学連の会見では、幹事で検証委員会の寺田昌弘委員は、会見で「大人たちがちゃんとやれば、というのが正直ある。ツケを学生に回した」と田中英寿理事長ら日大の要職にある関係者が、一連の悪質タックル問題をアメリカンフットボール部に押しつけたことに怒りをにじませた。田中理事長は、その点についても触れ「関東学生アメリカンフットボール連盟は、本学が提出したチーム改善報告書では不十分として、出場停止の処分解除はできないとの決定を下しました。(中略)この残念な事態を招いたのは、すべて我々の責任です」と反省した。

 また関東学連が会見の中で、今年選手登録をした学生については、カウントを免除する考えを示し「1年生で言えば、まだ4回は出来る。留年するかは別問題で、それはご本人、学校が考えること」と、19年に5年生になる学生の出場も認める考えを示したことについても言及。「もし、来シーズンまで待つという選手がいれば、出場ができるように最大限の支援をすることを約束します」とした。