Wリーグ新潟BBラビッツの司令塔・G宮坂桃菜(23)が10月のリーグ戦開幕に向けて順調な仕上がりをアピールした。1戦目の関大戦(75-48)は9得点5アシスト、ハーフゲーム(10分×2)で行われた愛知大戦(49-24)は11得点5アシスト。ルーキーだった昨季は9月に右膝前十字靱帯(じんたい)損傷で全治10カ月。シーズンを棒に振った。2年目の今季は自身の復活だけでなく、昨季最下位(33戦全敗)に終わったチームの立て直しに尽力する。

 ボールを持った宮坂が、トップスピードでドリブルを仕掛ける。それに合わせてメンバーがリング下に走る。CF渡辺愛加(23)CF畑中美保(32)F根来真奈(23)らがぴったりのタイミングで宮坂からパスをもらい、リングに収める。宮坂も「打てる時は狙う」と、相手のマークが甘いときは3点シュートに、レイアップを決める。

 新潟はこの日からチャレンジカップに参戦。14日まで合計6試合を行う。初日の2試合を終え、宮坂は「少しずつ感覚は戻ってきている」と安心した様子だ。2試合合計10アシストで、20得点。特に愛知大戦は11分ほどの出場時間での記録。「宮坂が入ると、テンポが上がる」と小川忠晴監督(48)。大学生相手の調整試合だが、プレーの精度、チームに与える影響をきっちりと示した。

 昨年は開幕前の9月に右膝前十字靱帯損傷で離脱した。東京医療保健大4年時に、入団前の大学生がWリーグに出場できるアーリーチャレンジ制度でリーグ戦5試合に出場。正式入団後は即戦力の司令塔として期待されていた。だが、ルーキーイヤーはリハビリに終始。チームが33連敗を喫して最下位12位に沈む様子を見ていた。

 それだけに、完治した今は開幕が待ち遠しい。7日、長岡で行われた日本女子代表とカナダの試合をチームメートとともに観戦した。小柄な日本がスピーディーに走り切るスタイルで、カナダを圧倒(88-50)したことに刺激を受けた。「自分たちも、ああいうバスケをしないと。そのためにも自分がもっと走る」。開幕に向け、チームをけん引する自覚と自信は高まった。【斎藤慎一郎】

 ◆宮坂桃菜(みやさか・ももな)1994年(平6)8月24日生まれ、千葉県出身。千葉英和高では2年のときにインターハイ出場。東京医療保健大4年のときに関東大学女子選手権優勝、インカレ準優勝。ポジションはG。163センチ、60キロ。背番号1。