競泳女子50メートル自由形で池江璃花子(18=ルネサンス)が日本勢最多の6冠を達成した。ここまで100メートル自由形、50、100メートルバタフライ、400メートルリレー、400メートルメドレーリレーの5冠をマーク。14年仁川大会でMVPを獲得した萩野公介の4冠を超えていた。MVPに明確な規定はなく、印象度で決まるが、今大会、だれよりも強いインパクトを放った。



会場練習

公式練習でバナナを口いっぱいに頬張り笑顔を見せる池江(撮影・河野匠)=2018年8月17日
公式練習でバナナを口いっぱいに頬張り笑顔を見せる池江(撮影・河野匠)=2018年8月17日

◆女子400メートルリレー

 日本(池江璃花子、酒井夏海、青木智美、五十嵐千尋)は3分36秒52の日本新記録で優勝。池江は第1泳者として金メダルに貢献。まず1冠。

女子400メートルリレーで3分36秒52の日本新記録で優勝し喜び合う、左から池江、酒井、青木(撮影・河野匠)=2018年8月19日
女子400メートルリレーで3分36秒52の日本新記録で優勝し喜び合う、左から池江、酒井、青木(撮影・河野匠)=2018年8月19日
女子400メートルリレーで3分36秒52の日本新記録で優勝し表彰台に笑顔で上がった池江、酒井、青木、五十嵐の日本チーム(撮影・河野匠)=2018年8月19日
女子400メートルリレーで3分36秒52の日本新記録で優勝し表彰台に笑顔で上がった池江、酒井、青木、五十嵐の日本チーム(撮影・河野匠)=2018年8月19日

◆女子50メートルバタフライ

女子50メートルバタフライで25秒55の大会新記録で制して前日の400㍍リレーに続く2冠目。スタートの浮き上がりでトップに立ち、1かき1かき伸びて他を寄せ付けない。狙い通りの大会新記録で勝ち、柔らかな表情を浮かべた。競泳界の先輩、北島康介は02年、萩野は14年にアジア大会のMVPを獲得して2人とも2年後の五輪で金メダルをつかんだ。「自分もそれに続けるような結果を出したい」と挑んだ大舞台で順調な歩みを見せた。

 


◆女子100メートル自由形

女子100メートル自由形で個人2種目を制して今大会3冠とした。中国人選手に先行されたが「焦りもなく冷静に判断できた」と逆転して53秒27。50メートルバタフライに続き大会記録でレースを制した。

女子100メートル自由形で優勝し、メダルを手に笑顔の池江(共同)=2018年8月20日
女子100メートル自由形で優勝し、メダルを手に笑顔の池江(共同)=2018年8月20日

◆女子100メートルバタフライ

女子100㍍バタフライは56秒30で優勝した。先行する中国人選手をとらえて逆転勝ち。自身が持つ日本記録56秒08と0秒22差のタイムで4冠。14年仁川大会でMVPを獲得した萩野公介と同じ金メダル数となった。

女子100メートルバタフライで優勝した池江(撮影・河野匠)2018年8月21日
女子100メートルバタフライで優勝した池江(撮影・河野匠)2018年8月21日
女子100メートルバタフライで優勝し金メダルを手に笑顔の池江(撮影・河野匠)=2018年8月21日
女子100メートルバタフライで優勝し金メダルを手に笑顔の池江(撮影・河野匠)=2018年8月21日
女子100メートルバタフライで優勝し表彰式で笑顔を見せる池江(撮影・河野匠)=2018年8月21日
女子100メートルバタフライで優勝し表彰式で笑顔を見せる池江(撮影・河野匠)=2018年8月21日

◆女子800メートルリレー

800㍍リレーは7分53秒83で銀メダル。

女子800メートルリレーで2位となり銀メダルを手に記念撮影に納まる日本チーム。左から五十嵐、池江、大橋、白井(撮影・河野匠)2018年8月21日
女子800メートルリレーで2位となり銀メダルを手に記念撮影に納まる日本チーム。左から五十嵐、池江、大橋、白井(撮影・河野匠)2018年8月21日
女子800メートルリレーで2位となり銀メダルを手に記念撮影に納まる日本チーム。左から五十嵐、池江、大橋、白井(撮影・河野匠)2018年8月21日
女子800メートルリレーで2位となり銀メダルを手に記念撮影に納まる日本チーム。左から五十嵐、池江、大橋、白井(撮影・河野匠)2018年8月21日

◆混合400メートルメドレーリレー 

東京五輪新種目の混合400メートルメドレーリレーで、日本は2位だった。背泳ぎ入江―平泳ぎ小関―バタフライ池江―自由形青木智で出陣。池江が2番手からトップに浮上も青木智がわずかな差で中国に先着された。涙に暮れた青木智に、池江は「智美さんは自分のせいと思っていたけど、私もタイムを落とした。リレーで誰か1人のせいということはないです」。池江のメダルは金4、銀2となった。


◆女子400メートルメドレーリレー

女子400メートルメドレーリレーで日本(酒井夏海、鈴木聡美、池江璃花子、青木智美)は3分54秒73の日本新記録で制し、今大会5冠となった。70年バンコク大会と74年テヘラン大会で、競泳女子の西側よしみがそれぞれ獲得した日本選手の1大会最多金メダル数に並んだ。「すごく楽しかった。(混合メドレーリレー銀で)悔しい思いをしたので、今回は絶対金メダルを取りたいと4人で話していた。記録もすごく良かったのでうれしい」と笑顔をあふれさせた。

女子400メートルメドレーリレーで優勝し声援に応える日本チーム。左から青木、池江、酒井、鈴木(撮影・河野匠)=2018年8月23日
女子400メートルメドレーリレーで優勝し声援に応える日本チーム。左から青木、池江、酒井、鈴木(撮影・河野匠)=2018年8月23日
女子400メートルメドレーリレーで優勝し表彰式でマスコット人形を高く掲げる池江(左から3人目)。左から酒井、鈴木、1人おいて青木(撮影・河野匠)2018年8月23日
女子400メートルメドレーリレーで優勝し表彰式でマスコット人形を高く掲げる池江(左から3人目)。左から酒井、鈴木、1人おいて青木(撮影・河野匠)2018年8月23日

◆女子50メートル自由形

女子50メートル自由形で24秒53で金メダルを獲得した。1大会の金メダル数は、競泳界の枠を超え日本勢最多の6個となった。ゴール後は「優勝できると思ってなかった。今大会で1番緊張した。隣を見ながら“負けるか”と思って泳いだ。6冠達成できてうれしい。自分の最高の力出し切れてよかった」と話した。表彰式後はうれし涙を流した。

女子50メートル自由形で優勝し、満面の笑みでガッツポーズを見せる池江(撮影・河野匠)
女子50メートル自由形で優勝し、満面の笑みでガッツポーズを見せる池江(撮影・河野匠)
女子50メートル自由形の表彰式を終え、涙をぬぐいながら引き揚げる池江(撮影・河野匠)
女子50メートル自由形の表彰式を終え、涙をぬぐいながら引き揚げる池江(撮影・河野匠)