全米オープンで日本勢初優勝した大坂なおみ(20=日清食品)の祖父、大坂鉄夫さん(73=根室漁協組合組合長)が9日、北海道根室市の自宅で、日刊スポーツの電話取材に応じた。北海道を襲った最大震度7の大地震の被災地の人たちを勇気づけるような孫娘の快挙を祝福した。

「試合は家内(邦子さん=73)ら家族とテレビで見ていました。最初はハラハラしたけど、落ち着いていたね。優勝にはビックリしました。よくやった。お疲れさまと言いたいです」と、鉄夫さんは言葉を弾ませた。セリーナが審判に抗議する場面もあったが、大坂は冷静に対処した。「トラブルがあっても冷静だった。これができたから勝てた」と分析した。大坂からは試合後に「勝ったよ」と、電話で報告を受けた。鉄夫さんは「良かったね」と声を掛けたといい、「普段のなおみらしく、おっとりしていて、いつもと変わらない様子だった」と話した。

6日未明に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」の影響による停電で、準々決勝と準決勝をテレビ観戦できなかった。「今もまだ、災害の影響からテニスどころではない人が多いので遠慮はあります」と言う。自身は、名産「花咲ガニ」など豊かな海産物を扱う根室漁協組合の組合長を務める。震度3だった根室では大きな被害は確認されていないが、被災地の人たちを元気づけるような孫娘の快進撃を喜んだ。

大坂は鉄夫さんの長女環(たまき)さんの次女。大阪市で生まれ、3歳で渡米したため、なかなか会う機会がない。だが、10歳をすぎたころからは電話で連絡を取るようになった。3、4年前には「一流の選手はピアスをしている」とせがまれてプレゼント。今年3月のBNPパリバ・オープンでツアー大会初優勝をした後にはハンカチとネクタイを贈られた。

今回、男女を通じて日本勢初となる4大大会シングルスで優勝をしたことに、20年東京オリンピック(五輪)への期待も膨らむ。「五輪には日本代表として出てくれたらうれしい。でも、まずはケガをしないように頑張って欲しい」と気遣っていた。【松本久】