日本オリンピック委員会(JOC)副会長の橋本聖子参議院議員(53)が8日に発足した日本ボクシング連盟の新体制に疑問を呈した問題で、同連盟が9日付で文書を発表した。

新体制側は内田貞信新会長に前科があり、事前に相談した橋本氏側から問題ない趣旨の見解を示されたとしていた。その件に関して、橋本氏は「問題ないとは言っていない」と否定していた。

文書は以下のように経緯を説明した。

「一部の報道では、新会長の経歴に関する報道がなされ、その中で、特定の国会議員の方から新会長の経歴について了承を得たとの報道がなされております。新会長の実績や功績について十分にご理解していただていた国会議員の方にご意見を賜ったことは事実ですが、国会議員の方からは、スポーツ団体の人事は団体が自主的に決定すべきであり、国会議員をはじめとする外部者が意見を言うべきではないとして、人事について肯定も否定もされることはありませんでした。そのような意見に従い、日本ボクシング連盟は、新会長を含む新体制の人事について自主的に決定しました」。

橋本氏は山根前会長体制では著しく欠けていたアスリートファースト、組織のガバナンス(統治能力)を最優先としている。これまでも、一連の日本連盟の問題に関わりを持ち、内田会長が発起人の1人で、山根氏の数々の疑惑を告発した「日本ボクシングを再興する会」とも相談の場を持っていた。

内田会長は8日の理事会で自らの前科を説明し、新会長就任に対して問題視はされなかった。「再興する会」を主導した行動力を期待され、スピード感ある改革が求められる状況に適任とされていた。

また文書では橋本氏に打診している最高顧問就任に関しても言及。「今後,公益社団法人化を進めていく中で、タイミングを計りつつ、正式に顧問就任のお願いをさせていただくことになると考えております」と記した。