柔道の世界選手権が20日、アゼルバイジャンの首都バクーで開幕する。リオデジャネイロ五輪男子60キロ級銅メダルで2連覇を狙う高藤直寿(25=パーク24)は「打倒、永山」を掲げた。

19日、バクー市内で行った最終調整では、サウナスーツ姿でランニングや縄跳びの他、異色のボクササイズを敢行。柔道着を着たのはわずか30分程度で技を確認した。リオ五輪前の最終調整でも行った独自トレーニングで“戦闘モード”に入った。高藤は「(体重も)残り400グラムでベストコンディション。大勝負を前に気持ちが高ぶっているのと、緊張でピリピリしてる部分もある」と心境を語った。

20年東京五輪を見据える上で、2連敗中の宿敵、永山竜樹(22=東海大)を強烈にライバル視する。昨年の世界選手権を制し、グランドスラム(GS)東京大会も優勝して、同12月に世界選手権の代表に内定。永山とも対戦する機会はなく、今大会を永山との「大勝負」と位置づける。「リオ五輪の時にみたいに選考に悩ませるのではなく、一気にここで突き放して五輪へ臨みたい。周りは気にせず、金メダルを取ることだけを考えたい」。

一方、世界ランキング1位の永山はこの日、入念に立ち技を確認した。時折、笑顔を見せるなどリラックスした様子で「緊張もなく落ち着いている。直寿先輩に勝つことしか考えていないし、自信もある」と、闘争心を全面に出した。