4年ぶりの復帰戦でショートプログラム(SP)首位発進の高橋大輔(32=関大KFSC)がフリー118・54点の合計195・82点とし、3位で西日本選手権(11月1~4日、名古屋)進出を確定させた。SP3位の友野一希(20=同大)が合計206・80点で逆転優勝した。

高橋のフリーはジョン・グラント作詞・作曲の「Pale Green Ghosts」。振り付けを担当したフランス人のブノワ・リショー氏もスタンドから見守る中、スタート位置についた。冒頭のフリップ-トーループの連続3回転ジャンプは着氷させたが、トリプルアクセル(3回転半)で2度転倒。それでも4分間、懸命に演技をし「最低ですね。練習でもここまでボロボロになったことがない。練習を含めて初めてでした」と苦笑いした。

前日7日のSPでは77・28点。当選確率約10倍の前売り有料チケットを手にしたファンに見守られ「むちゃくちゃ緊張しましたね。スタートから脚がガクガクで、結構つまずきそうになりました」と久々の緊張感を味わった。フリーへの意気込みを問われても「ショートでこれだけ疲労困憊(こんぱい)しているので『フリーどうなることやら』っていうので、そっちの不安があります。『(4分間)持つかな』っていう不安が大きいです」と苦笑いするほど、不安が大きかった。

8月には左足内転筋を肉離れ。以後も練習による反動で4年のブランクを感じながら、2つのプログラムを滑りきった。次戦は西日本の舞台。

「このままじゃ本当にやばい。悔しいっていうより、これが今の自分の実力。ここから上げていきたい」

目標に掲げる全日本選手権(12月、大阪)での最終グループ滑走へ、苦しみながらも第1関門を通過した。