“禁”乃木坂で「金」メダルを取った-。レスリングの世界選手権男子フリースタイル代表が25日、成田空港に帰国し、65キロ級で日本男子史上最年少王者(19歳10カ月)になった乙黒拓斗(19=山梨学院大)が、金メダル獲得秘話を語った。

アイドルグループ「乃木坂46」ファンを公言し、普段から耳には乃木坂ソングが流れているが、試合2、3日前はその音をレゲエに替え、戦闘モードに入った。今大会も2、3日前から禁乃木坂を敢行し、試合に集中し、金メダルを手にした。「(乃木坂を聴くと)緩んじゃうんで。レゲエに替えるのは決めています。ルーティン化してますね」と裏話を語った。

初出場で初優勝。大学の高田裕司監督が持っていた最年少記録さえも超える快挙を達成し、一気に20年東京オリンピック(五輪)金メダル候補に躍り出た。メダル獲得後、LINEを含めたSNSには国内外から約300ものメーツセージが届いたという。「レスリングを知ってもらいたいと思っていたので、それができてうれしい」と喜んだ。

目指す東京五輪は、「小さい頃から出ると思っていた」と話す。ただ、シニアの個人戦で初の国際大会を経験し、「昔は出るのが当たり前だと思っていたが、今は難しさを感じている。研究されるし、自分を倒しにくる相手も多くなる。もっと練習していかなきゃいけない」と気持ちを引き締めた。

銅メダルを獲得した57キロ級の高橋侑希(ALSOK)、同92キロ級の松本篤史(警視庁)も同便で帰国した。