女子SP2位発進の宮原知子(20=関大)が合計219・47点で2位に入った。最終滑走の緊張からジャンプ2つの回転不足など勢いを欠き、共に練習する紀平に頂点を譲った。それでも第1戦スケートアメリカ優勝と合わせ、4年連続のGPファイナル(12月、カナダ・バンクーバー)出場権をつかみ「(紀平には)『このままじゃいけない』と、いい刺激を受けています」と競争を歓迎した。

大会前には母が広島で被爆した、浜田美栄コーチの思いを静かに聞いた。原爆により13歳で亡くなった伯母の話も交え「焼け野原で文句を言う場所もない状態から、立ち上がったんだよ。何でもできる世の中にいる。もっと頑張ろう」と伝えられた。「先生だけのためじゃなく、自分のいい演技をして、気持ちを伝えたい」。最後のスピンから始まった拍手が、懸命な演技への評価を証明していた。