世界ランキング2位の山口茜(21=再春館製薬所)が同5位の奥原希望(23=日本ユニシス)を2-1で下し、2年連続3度目の優勝を果たした。

全日本選手権では初となる決勝対決は両者譲らぬ展開となった。第1ゲームは競り合いの末、終盤に山口が抜けだし21-16で先取。第2ゲームは落としたが、ファイナルゲームでは奥原の好ショットを何度もスーパーレシーブ。最後はラインぎりぎりを狙ったショットのチャレンジが成功し、勝利を決めた。

対奥原の新たな戦略がはまった。「きょうは我慢、我慢で自分からいかずにいったことが良かった」。いつも奥原と対戦する際は、奥原が得意なラリー勝負の途中で根負けし、攻め急ぎ、ミスにつながることが多かった。だが、この日はあえて自分からラリー勝負に持ち込んだ。前日の準決勝では、奥原が粘りをみせる相手の峰に対し、攻め急ぐ姿があった。それを見て「あそこまで粘れば、奥原さんも攻めたくなるんだなと思った」。急にひらめいた戦法をいきなり試して、勝利につなげた。

敗れた16年リオデジャネイロ五輪準々決勝を含む国際大会での通算成績は6勝10敗。最後に戦った9月末の韓国オープンではフルゲームで1-2で敗れていた。「きょうは勝つ自信なくて、試合前はボロボロにされるんじゃないかと思っていた」と山口。自分の予想を超える結果で、女王の座を守った。