24日に開催されたフィギュアスケート全日本選手権の男子フリーを終えて2位に入った高橋大輔(32=関大KFSC)が世界選手権代表を辞退した。今季4年ぶりに現役復帰した本人が寄せたコメントには、その理由が隠すことなくつづられていた。

「僕自身、すごく迷ったけれど、ミニマムポイントを取りにいけば選出していいただける。でもやはり、気持ちとしてはもし選ばれるのであれば、行きたい気持ちはやまやま。やっぱり世界と戦う覚悟っていうものが、持ちきれなかったというところもすごく大きな理由。今シーズン現役復帰するって自分の中で決めたことも遅かった、練習もぎりぎり、全日本までいけるかっていうのが想像できない戦い。世界選手権もスタートしたときは頭の中になかったこともありますし、世界と戦うっていう難しさであったり、精神力の必要とされるところであったり、世界と戦ってきて経験している。選ばれているからといって、出るべきじゃない」。

さらに続いたのは、高橋らしい後輩への思いだった。

「他の国の方と試合で一緒の空気で過ごすことによって、経験できることはたくさんある。この先希望があるかというとないと思う。それだったら若手というか、今は日本を引っ張っている選手たちが経験を積むことによって、若手の選手もそうですし、日本のスケートが盛り上がっていくためには、若い選手が舞台を経験することの必要性が大きい。今回、辞退させていただきました」。

世界選手権の代表には男子では連覇を達成し選考基準を満たした宇野昌磨(21=トヨタ自動車)と、3位の田中刑事(24=倉敷芸術科学大大学院)、右足首故障で全日本を欠場も冬季五輪2連覇の羽生結弦(24=ANA)が選ばれた。