女子で6年連続11度目出場の富士見(静岡)が、西原(沖縄)を2-0で破り、3年連続の初戦突破を果たした。第1セットは緊張からリードを許したが、WS山崎ひなのとMB伊藤麻緒主将の3年生コンビがチームをけん引。逆転でこのセットを奪うと、第2セットも冷静な試合運びで相手を寄せ付けなかった。今日6日の2回戦では市沼田(広島)と対戦。2年前に記録した、過去最高の16強入りを目指す。

試合を終えた伊藤は「すっきりしました」と白い歯を見せた。試合序盤に相手のエースをとらえきれずにリードを許す展開となったが「相手の誰が打つか、コースはどこか、球筋はどうか、ということはつかめていた。勝つ自信しかなかった」と冷静だった。

他の試合がもつれたため、試合開始時間が予定の2時間半遅れ。慣れない環境と大舞台での緊張の中、チームは流れをつかめなかった。そんなチームを勇気づけたのが3年生だった。第1セット序盤で山崎が左から強烈なスパイクを決めた。それがのろしとなり、9連続得点。流れをつかんだ。山崎は「会場に入った瞬間にワクワクした。早く試合をしたいという気持ちが強く、楽しくやれました」と笑顔を見せた。

第2セットも序盤にリードを許したが、伊藤が立て続けにスパイクを決めて流れを引き戻すと、15-15の場面では相手エースを抑えるブロックポイント。試合の行方を決定付けた。「このチームは波があるので、つまずくことも多いですが、今日は取るべきところで点を取れた」と振り返った。

3年連続の初戦突破となったが、3年生は浮かれない。山崎は「修正しなければいけないことが多かった。後でみんなと話し合いたい」。伊藤は「試合の中で相手にしっかり対応できるよう、コミュニケーションを取っていきたい」と話した。目標の8強入りへ向けて幸先の良いスタートとなったが、全国の厳しさを知る2人は気を引き締めていた。【河合萌彦】