新潟アルビレックスBBがチーム連勝記録を9に伸ばした。ライジングゼファー福岡を78-73で振り切った。PG/SG渡辺竜之佑(24)が第1クオーター(Q)に6得点で勢いづけ、MIPに輝いた。昨年10月に右手舟状骨を骨折し、12月に復帰した。この日は復帰後最長の20分27秒の出場。好調のチームの中、復活をアピールした。PFラモント・ハミルトン(34)がチーム最多の20得点でMVPを獲得した。

懸命に走った、そしてボールを追って飛び込んだ。「(スタメンでは)自分がいちばん年下。だから動こうと思った」。渡辺は身上のガムシャラなプレーでチームに勢いを与えた。

第1Qの残り8分23秒、オフェンスリバウンドを奪ってそこから先制の2点シュート。残り5分44秒ではPG五十嵐圭(38)のパスをリング下に走り込んで受け、ジャンプショット。残り4分35秒、リング下に切れ込んでの1本。前日26日に延長までもつれ込む要因となった福岡のインサイドの守備を、隙を突くプレーで攻略した。

「昨日(26日)は悔しい思いをした」。1戦目は前節富山戦(23日)に続くスタメン出場。だが、第1Qに5分40秒間コートに立っただけで、その後は出番なし。マークするべき相手の選手を抑え切れず簡単に得点された。試合後、自宅でビデオで自分のプレーをチェック。「まずリバウンドにしっかり入る」と反省点を挙げて2戦目に臨んだ。本数こそ3本だが、攻守にかかわらず積極的にリバウンドに絡みに行った。

昨年10月27日の三遠戦で右手舟状骨を骨折。12月8日のA東京戦で復帰したが、試合勘が戻らず、もどかしい思いをしていた。第19節三河戦(16日)で14分33秒間出場し、手ごたえをつかんだ。この日は「ベンチから細かく指示してもらった」。コーチ陣の指示をきっちり聞き取る冷静さも取り戻した。

五十嵐らベテランと外国人選手が30分前後の出場時間を重ねる現状、渡辺は「若手が成長しないと」と自覚を見せる。連勝を伸ばし、首位を走る中、次世代の戦力が育ち始めた。【斎藤慎一郎】