スケートボード・ストリートの第1回世界選手権を制した西村碧莉(あおり、17=木下グループ)が1日、新シーズンへの思いを口にした。

世界最高峰のSLS(ストリートリーグ)最終戦を兼ねて先月リオデジャネイロで行われた世界選手権を制した西村はこの日、同じ木下グループに所属する姉の詞音(ことね)とともに新宿にある木下グループ本社を訪ねて優勝を報告。「すごくうれしい」と振り返りながらも「他のスケーターもレベルアップしてくるので、気を抜いてはいられない」と話した。

先月16日の帰国時は体調が優れずに取材対応を控えた西村だが、この日は笑顔で応対。大会中は耳の痛みなどとも戦ったが「帰国して病院には行ったけれど、もう大丈夫です。今は普通に滑っています」と練習再開に笑顔をみせた。

初代世界女王に就いた西村だが「世界選手権は意識しなかった」。SLS色が強く、ルールもSLSと同じ。「違ったのは18歳以下はヘルメットを着用しなければいけないことぐらい」と説明し「SLSに勝つことは夢、目標だったので、すごくうれしかった。今までで1番楽しかった」と、SLS初勝利を喜んだ。

勝因は家族。「1本終わるごとに父(哲雄さん)と話しをしました。めっちゃ相談しました」。作戦が功を奏してリード、1度は逆転されたものの最後の1本を決めて再逆転し頂点に立った。「応援してくれる家族の力は大きい。今回も家族がいなければ勝てなかった」と感謝した。

次の出場大会など今後は未定だが「XゲームとかSLSとかあると思うので、出続けたい。目標は決めていないけれど、表彰台には立ち続けたい」と話した。SLS優勝で他のスケーターからは「やばいじゃん」と言われることも多くなった。それでも「大きく変わったことはないし、これからも同じようにやるだけ」と冷静に話した。

東京五輪代表が決まる五輪ポイント(19年1月スタート)でトップに立ち、出場が有力な西村。金メダル候補としても注目されるが「出られたら、自分の精いっぱいの滑りで、楽しさを伝えたい」と競技への思いを口にしていた。