20年東京オリンピック(五輪)から実施されるバスケットボール3人制の女子日本代表候補合宿が9日、都内で行われ、3人制で18年ジャカルタ・アジア大会銀メダルの奥山理々嘉(りりか、18=東京・八雲学園高)は「久しぶりの3人制で、ルールをおさらいした。やっぱり楽しいですね」と笑顔を見せた。

Wリーグ期間中のため、今合宿は3人制を専門とするベテラン選手と、高校生で構成。「先輩方から、3人制のポイント制とか、五輪への取り組み方を聞けた。経験を積んで、バスケのスキルアップをしたい」。3月以降はWリーグの選手も含め、月1度程度の合宿を設けて、5月のアジア杯、6月のワールドカップ(W杯)代表を選考していく。

178センチの18歳は、神奈川・鶴久保コスモスでミニバスを始め、坂本中を経て八雲学園高に入学。2年時の全国高校選手権(ウインターカップ)では史上最多となる1試合62得点をマークするなど、屈指の得点力も持つ。これまで3人制の経験はなかったもののジャカルタ・アジア大会で代表に選出され、初大会で銀メダルを持ち帰った。「アジア大会ではルールの認識ミスもあったので、しっかりルールを確認しないと」。東京五輪代表選考にもかかわるシーズン開幕を前に気合を入れた。

3人制は、コートも5人制の約半分で、攻撃の持ち時間も5人制の24秒に対し、12秒。3人制のボールの大きさは女子5人制と同じ6号球だが、重さは男子の7号球相当。試合時間も10分×1クオーター(ただし、どちらかが21点を獲得した時点で終了)など、5人制とはさまざまな違いがある。奥山は「攻守の切り替えが速い中でも、いい1対1をして点数を取れる得点力をアピールしたい」と持ち味も生かす。

ジャカルタ・アジア大会でメダルを手にしたことは、より強く東京五輪を意識させた。「世界と戦って、アジアでは中国の壁を倒さないと金メダルには届かないことが分かった。この先に五輪があるんだなと思うと、良い経験、モチベーションになった」。東京五輪は「日本での五輪はなかなかないので、目標の1つ」と位置づける。3人制の日本女子は世界ランキング7位に位置し、8カ国が出場できる東京五輪にも期待がかかる実力を持つ。開催国枠での出場は5人制と同様にまだ保証されていないが、3月の国際バスケットボール連盟(FIBA)中央理事会で判断が下される見通しとなっている。

国内外の3人制の大会を転戦し、ポイント稼いで個人ランキングを上げることが、東京五輪代表への近道。今年はアジア杯、W杯に加え、女子は国別対抗のリーグ戦も新設され、ポイントを稼ぐ機会も増える一方で、奥山は高校卒業後は5人制の実業団に入団し、5人制のU-19W杯出場も狙う。3人制は代表候補としての合宿を主な練習機会とし、実業団選手としての5人制の練習と並行。「5人制と3人制、呼んでもらった方で五輪に出たい。日本代表として東京五輪でプレーしたい」と二刀流で夢舞台を目指していく。