新潟アルビレックスBBラビッツはシャンソン化粧品に68-88で負け、1勝21敗の2年連続最下位でレギュラーシーズンを終えた。

第3クォーター(Q)までは51-60と1桁台の得点差だったが、最終Qに突き放された。低迷するチームの中でF飯島早紀(26)が3スチール。Wリーグのスチール・ランクトップで、チーム初のスチール王のタイトルを獲得した。

新潟のロッカールームが突然、歓声に沸いた。拍手に、「おめでとう」の言葉があふれた。飯島のタイトル獲得への祝福。同僚がランク2位につけていたライバル、三菱電機・渡辺亜弥のアイシンAW戦のアシスト数をチェックし、飯島が1試合平均2・67本でタイトル奪取を確認した瞬間だった。「(試合前に)チームのみんなが『思い切り、狙っていいよ』と言葉をかけてくれた」と周囲の協力に感謝した。

「タイトルを取れれば、明るい話題になる」と小川忠晴監督(49)は、「スチールを最低でも3本やれ」と飯島をコートに送り出した。チーム最長の39分11秒、コートに置いた。その采配に応えてスチールを3回奪い、得点もチーム最多タイの14点。最終戦のコートで持ち味を出した

チームは1勝21敗で2年連続の最下位。課題は最終Qに続出した。第3Qまで接戦も、粘れずに突き放される傾向は従来のまま。21ターンオーバーとミスの多さも課題だ。「1ミリ、2ミリ。選手は成長している」と小川監督は話したが、課題克服は来季に持ち越し。「DFで張りたい」と山梨から移籍1年目の飯島にとってはスチール王獲得で有言実行のシーズンになった。【涌井幹雄】