カーリングの全農日本選手権第5日は16日、札幌・どうぎんカーリングスタジアムでプレーオフ1回戦が行われ、女子は1次リーグ1位の中部電力が同2位のロコ・ソラーレに8-5で勝利し、1次リーグから9連勝で17日の決勝進出を決めた。

中部電力はハプニングも力に変えた。5-5、有利な後攻の第9E、自分たちのストーンがハウス(円)中心に集まり大量得点のチャンス。勝負の最終ショットは、本来は3番目に投げるサード松村。「ドキドキした」。はやる気持ちを抑えながらの1投は、相手のストーンをはじき一挙に3点を追加して勝負あり。同Eの松村の2投目に、フォース北沢が誤投するハプニングが発生するも、北沢のストーンは有効となり、最後を託された松村が決めた。

17年9月、翌年の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)代表決定戦で、中部電力はロコ・ソラーレに敗れて五輪出場を逃した。リード石郷岡も「打倒ロコ・ソラーレの思いはある」。4人は強い思いを持って宿敵に立ち向かい、今大会は1次リーグから2戦2勝と強敵を打ち破ってきた。

12月からは男子の平昌五輪代表でSC軽井沢クのスキップを務めた両角友佑(34)がコーチに就任。スキップも松村から中嶋に変わり、今大会で結果に表れている。松村が「ストーンを離すタイミングのアドバイスを受けて、投げる姿勢が安定した」と言えば、中嶋も「作戦面の幅も広がって、アグレッシブになった」と変化を実感する。カーリングに安定感が増した手応えを深め、決勝に臨む。【戸田月菜】