今年もスケートパークにキッズ旋風が吹き荒れた。優勝した藤沢虹々可(17=ACT SB)は高校2年だが、2位中山楓奈(13=ムラサキ高岡)は中2、3位織田夢海(12=ムラサキ名古屋茶屋)は小6で、4位西矢糀(11=ハスコ)は小5。表彰式には「子どもたち」が並んだ。

すでに世界選手権優勝で強化選手入りを決めているエース西村碧莉(17=木下グループ)が欠場、昨年日本選手権優勝でアジア大会銀メダルの伊佐風椰(18=オザワ商店)が負傷で途中棄権したとはいえ、上位は10代前半ばかり。「17歳はベテランと言われちゃうので」と藤沢が笑えば、中山まで「下の子が伸びてきている」と話した。

現時点では五輪(オリンピック)スケートボードに年齢制限はない。昨年のアジア大会には9歳の少女も出場した。今年1月の世界選手権に「小学生代表」として出場して12位に入った織田が来年の五輪キップをつかめば、中2での出場。西矢なら中1だ。

五輪の日本人最年少出場は、36年ガルミッシュパルテンキルヘン冬季大会のフィギュア女子び稲田悦子。開幕前日に12歳になった小学校6年生だった。夏季大会唯一の小学生代表は、80年モスクワ大会競泳女子の長崎宏子。こちらは大会中が12歳の誕生日だったが、日本の不参加で幻に終わった。記録が残っている選手の中で夏季大会の最年少出場は、92年バルセロナ大会競泳女子の稲田法子。岩崎恭子、春名美佳との「中2トリオ」の中で最も誕生日が遅く、大会中に14歳になった。

仮に織田が東京五輪に出場すれば、誕生日の関係で「夏季大会史上日本代表最年少出場」になる。西矢なら、さらに記録を更新する。もっとも、まだまだ東京五輪への道は険しい。今大会と5月の日本選手権の成績で上位3人に入って強化選手になり、派遣された大会で五輪ランキングになるポイントを稼ぐこと。派遣人数は大会によって違うため、上位での強化選手入りが必要になる。強化指定を外れれば、事実上東京五輪出場の道はなくなる。

世界選手権を経験し「世界はすごいと思った」という織田は「もっと練習をして、近づかないと」と話した。24年パリ五輪での実施が現実的になったが、選手他たちに「東京の次」の意識はない。ランキングのポイントとなる世界大会の詳細は3月に発表予定。世界との五輪代表争いに参戦するために、国内での争いも激しくなる。