スノーボードで五輪(オリンピック)2大会連続銀メダルの平野歩夢(20=木下グループ)が、東京五輪への第1歩を踏み出すことが、正式に決まった。

6日に選手登録が締め切られたスケートボード・パークの日本オープン(16日、神奈川・藤沢市)にエントリー。強化候補選手選考会を兼ねる大会で大激戦の代表争いに挑み、日本男子として史上2人目となる夏冬五輪出場を目指す。

雪からコンクリートへ、平野が本格的に挑戦をスタートさせる。昨年11月に「スルーはできない」と東京五輪を目指すことを表明。拠点の米国ではスケートボードの練習も積んでいた。スノーボードのトップに君臨するが、4歳で同時に始めたのがスケートボード。幼少期は国内大会でも好成績を残し、雪に軸足を置いてからもトレーニングとして2つの板に乗ってきた。

もっとも、父英巧さんは「スノーボードとスケートボードはまったく違う。難しいですよ」と話す。スケートボードでもハーフパイプを往復しながら技を繰り出す「バーチカル」という種目もあるが、五輪は未採用。平野自身も「国内には強い選手もいるし、簡単な挑戦ではない」と話す。

平野の参戦で、パーク男子の五輪争いは大激戦になる。アジア大会金で世界選手権14位の笹岡、ストリートが本職ながらパークでも実績を残す池田らと争い、まず強化候補選手に入らなくてはならない。五輪出場選手は国際大会での得点による五輪ランクで決まるため、各種目3人の強化候補選手に入らなければ五輪出場は絶望的。仮に入っても、国際大会で上位に入らないと五輪はない。関東初の本格的なパークの大会。新設された鵠沼海浜公園スケートパークから、平野の挑戦が始まる。

 

◆パーク種目の東京五輪代表争い 出場選手は男女各20人で、1カ国最大で3人。今年10月以降の世界選手権3位以内は決定。残りは「五輪ランク」上位から出場権が与えられる。ポイント獲得のための世界大会に出るには、今大会と5月の日本選手権(新潟)成績で3位以内に入り強化候補となる必要がある。女子で昨年世界選手権優勝の四十住さくらと同2位の中村貴咲は強化候補内定。男子は世界とのレベル差から五輪ランクで出場権を逃す可能性もある。その場合は開催国枠「1」が適用される。

 

◆夏冬五輪出場 日本選手では過去4人だけ。橋本聖子はスピードスケートで冬季4大会、自転車で夏季3大会出場。関ナツエ、大菅小百合もスピードスケートと自転車で出場した。男子は陸上短距離の青戸慎司がボブスレーに転向して夏冬出場を果たしている。