仙台89ERSが88-70で福島ファイヤーボンズに連勝し、PO(プレーオフ)進出争いに踏みとどまった。沢辺圭太(24)が3点シュート4本を含む計26得点。ジェロウム・ティルマン(31)も26得点11リバウンドで勝利に貢献した。

東日本大震災で一時、休部に追い込まれた仙台が「3・11」を前に発奮した。当時を知る志村雄彦GM(36)は試合前のロッカー室で「被災地を笑顔にするのが俺らの仕事の誇り。しっかりコートで表現し、絶対に3・11のことを忘れないでほしい」とゲキ。選手は被災地・南三陸町の志津川ミニバスケットボールクラブの子供たちと手をつないで入場し、結果を出した。

同じ被災地の思いを知る熊本出身の沢辺が呼応した。開始2分半の逆転弾を含め、要所で3点シュートを決めた。ドライブ攻撃で反則も誘い、フリースロー8本すべてを沈めた。残り13戦で東地区1位の群馬クレインサンダーズとは6ゲーム差、ワイルドカード首位の熊本ヴォルターズとは5ゲーム差。MVP獲得の沢辺は「B1昇格を諦めていないので、熱い応援をお願いします」とブースターに呼びかけた。【佐々木雄高】