柔道の女子57キロ級で世界ジュニア3連覇の舟久保遥香(20=三井住友海上)が11日、体重無差別で争う「全日本女子選手権」の挑戦に意欲を示した。

グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)に出場するため一部の選手、スタッフと成田空港を出発。10日には、所属の先輩で五輪2大会52キロ級銅メダルの中村美里(29)が、軽量級でありながら全日本女子選手権(4月21日、横浜文化体育館)の出場権を初めて獲得した。これを受けて、舟久保は「中村さんから学ぶことは多く、本当にすごい…。私も出てみたい」と思わぬ願望を明かした。

昨年11月のGS大阪大会以降は、それまで連戦だったため体作りに重点を置いた。「舟久保固め」と呼ばれる独自の抑え込みなどの寝技を得意とするが、一から柔道を見直し、立ち技の強化も図った。GSエカテリンブルク大会での目標は優勝だが、それ以上に「立ち技を出せないと成長出来ないと思うし、勇気を出してしっかり出せるようにしたい」と気合を入れた。

同階級には世界女王の芳田司(23=コマツ)が君臨する。芳田との対戦成績は3勝1敗と勝ち越しているが、海外勢に勝つために芳田のような“隙のない柔道”を心掛ける。「立って投げ、寝技も使えるようになるためには底上げが必要。海外経験も浅いため、目の前のことを一生懸命やるのみ」。

4月6、7日の全日本選抜体重別選手権(兼19年世界選手権代表最終選考会)では2年連続2位が続く。20年東京五輪を見据えて「優勝してちょっとでも1歩先に抜けたい。そのためにもこの大会が大事だし、しっかり勝ちきって選抜につなげたい」と、静かに闘志を燃やした。