小さくても強いんです! 男子テニスの今季初のマスターズ大会、BNPパリバ・オープン(米カリフォルニア州インディアンウエルズ)で、世界74位の西岡良仁(23=ミキハウス)が奮闘中だ。身長170センチ、体重64キロは、現在の世界100位以内で、同26位のシュウォーツマン(アルゼンチン)と並んで最短身、最軽量だ。

今年の開幕時に、西岡は冗談交じりに「僕らがどれだけ大変か。体重別にしてほしい」と苦笑いで語った。1月の全豪前哨戦、シドニー国際準々決勝では、初めてシュウォーツマンと対戦。「最も小兵で最も強いのはどっちだ」対戦は、最終セットのタイブレークで敗れた。それでも、西岡は「並んだら、相手の方が背が低かった」と、身長は勝ったと胸を張った。

大型化が進む男子テニス界で、現在の100位以内に身長170センチ台は1割の10人しかいない。日本のエース、錦織圭(29)も178センチでその1人だ。最長身は211センチで、同89位、世界のサービスエース王、カロビッチ(クロアチア)だ。西岡との身長差は何と41センチ。それでも対戦成績は西岡の1勝0敗だから、テニスはおもしろい。

その西岡が、日本時間14日午前3時から、自身初のマスターズ大会8強入りに挑む。相手は初対戦で同130位のケツマノビッチ(セルビア)だ。96年に、現行の年間9大会制になって以来、日本男子でマスターズ大会で8強に入ったのは錦織、杉田祐一(30)の2人だけだ。

今大会は、コートの球足が遅く弾むため、球に縦回転をかけ弾ませ、拾い粘る西岡に向いている。17年には、今年と同じく4回戦まで進んだ。小柄のため体に負荷がかかり、同年3月のマイアミオープン2回戦で左ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂。手術で同年すべてを棒に振った。自己最高の58位を記録した直後のことだった。今年8強入りすれば、その自己最高位の更新も濃厚だ。