右足首負傷からの復活優勝を狙う羽生結弦(24=ANA)が20日、21日の世界選手権男子SPに向け、会場で公式練習を行った。開始わずか1分で3回転ループを跳ぶと、リンク中央へ。会場内にSP「秋によせて」は流れていないが、イメージして演技。18分後、ようやく曲かけの順番がまわってくると、次はフリー「Origin」で演技した。3種類の4回転ジャンプをそろえ、終盤には試合では使えない、4回転トーループ-トリプルアクセル-オイラー-3回転サルコーの“4連続ジャンプ”も披露して、好調ぶりを示した。

4回転ループで1度、負傷していた軸足の右足を滑らせて、あおむけに転倒。ひやりとさせたが、その後に着氷すると納得の表情でうなずいた。3日連続で練習は満席。19日には「練習からお客さんがこれだけ入るのは、日本以外では絶対にない。頑張ります」と誓った。SPは得意の1番滑走。14年ソチ・オリンピック(五輪)は4組目、18年平昌(ピョンチャン)五輪は最終組、ともに1番で最終順位も1番と吉兆。17年4月21日の国別対抗戦(東京)フリー以来、実に699日ぶりの国内での公式戦で、2年ぶり3度目の優勝を目指す。【佐々木隆史】

◆滑走順 35人が出場する21日の男子SPの滑走順抽選が行われ、日本勢は羽生が30番、宇野が31番でともに最終組に入り、田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)が第4組の22番に決まった。ネーサン・チェン(米国)が最終35番となった。