B1中地区首位の新潟アルビレックスBBは今日3日の第32節、同4位富山グラウジーズとホームのアオーレ長岡で対戦する。前節三遠ネオフェニックス戦で初のチャンピオンシップ(CS)進出が決定し、次の目標は中地区優勝に定まった。富山との前回対戦(3月13日)で9リバウンドと気を吐き、75-50の圧勝に導いたSF渡辺竜之佑(24)がここでも攻撃の土台をつくり、チームを地区王座に向かう波に乗せる。

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期待と責任を受け止めた。2日の前日練習後、渡辺は庄司和広監督(44)に呼び止められた。数分話し込んだ後、自主トレーニングのシュート練習を始めた。「(庄司監督からは)やれることをしっかりやれ、と」。初のCS進出は決まったが、一息つく暇はない。中地区首位も、2位川崎が2ゲーム差に迫っている。残り8試合はトーナメントと同じ。「(3日の)富山に絶対に勝たなければならない」。指揮官の言葉に目の前の試合の大切さを感じ取った。

求められていることは3つ。走ること、相手の中心選手を止めること、そしてリバウンドの獲得。渡辺は攻守に走るプレーを身上にしてきた。富山戦は相手エースのPG宇都直輝(27)をマーク。3月13日の前回対戦では無得点に抑え込んだ。「攻守の切り替えで走らせない」とツボは心得ている。何より重視するのが「とにかく跳び込む」というリバウンドだ。

前回対戦で9リバウンド。オフェンス4、ディフェンス5とバランス良く獲得した。「9本は運の良さもあった。でも跳ばないと何も起きない。取れなくても、ボールに触れば何とかなる」。前節三遠戦、1戦目の勝利でCS進出を決めた試合で渡辺は8リバウンド。だが2戦目は2にとどまった。「油断したわけではないけど集中していなかった」。その反省から富山戦はがむしゃらにプレーすることを自分に言い聞かせる。

この日の練習前ミーティングで庄司監督は「中地区優勝を目指す」と明言。選手に結束を求めた。渡辺は昨季、所属した琉球で西地区優勝を経験した。当時の1試合平均出場時間は5分ほど。今季は10分59秒と大幅に伸びた。「使ってもらっている。だからもっと貢献しないと」。負けられない一戦、持ち味を出し切る決意を固めた。【斎藤慎一郎】