B1中地区首位の新潟アルビレックスBBは今日10日の第34節、同4位富山グラウジーズとアウェーの富山市総合体育館で対戦する。勝てば自力で中地区優勝に王手をかける一戦、Cダバンテ・ガードナー(27)がスコアメークをして、チームをけん引する。現在、1試合平均27・9得点で2年連続得点王が濃厚だ。富山戦は今季ここまで負けなしの5連勝。今季最後の対戦でも得点を荒稼ぎし、新潟を中地区優勝に近づける。

タフな大黒柱が地区優勝、そして2年連続の得点王に突き進む。ガードナーは「試合の準備はできている」と淡々と話した。9日、チームは午前中に練習し、午後2時に富山に向けてバスで長岡市から移動した。第29節大阪エヴェッサ戦(3月23、24日)から第35節川崎ブレイブサンダース戦(4月13、14日)まで23日間で11試合を戦う過密日程の最後の週。疲労がたまっているのが普通だが、ガードナーは「問題ない」と平然としている。

練習後の自主練習では左45度の位置からミドルシュートを繰り返した。「よりインサイドに近いところから決めたい」。ガードナーをリング下に入れない守備を各チームが敷いてくる。その間隙(かんげき)を突く形を体に染み込ませた。この連戦に入り、米国で高校時代に得意にしていたフックシュートも多用。「自分のスタイルを少し変えようと思った」。パワフルにリング下を制圧するだけでなく、裏をかくテクニックを見せ始めた。

ここまで1試合平均27・9得点で得点ランキング1位。24・2点で2位の京都ハンナリーズのデイビッド・サイモン(36)を大きく引き離し、2年連続の得点王は濃厚だ。それでも「得点は気にしていない。チームが勝つことが大切」。シュートのバリエーションを増やしたのも、自分の得点を少しでも白星獲得に役立てるため。

庄司和広監督(44)は練習後、選手を前に話した。「ここまで来たのは自分たちの力だけではない、周囲の支えに感謝しよう。そして、このメンバーでここまてやったきたことも確かだ。仲間を信じて勝とう」。レギュラーシーズンは残り5試合。チームの結束は固い。ガードナーも言う。「全部勝って、地区優勝する。そのために、まず富山に勝つ」。自信を持って“王手”をかける。【斎藤慎一郎】

◆中地区優勝・最短13日決定の条件 現在、首位新潟は40勝15敗、2位川崎は37勝18敗。3ゲーム差で新潟の優勝マジックは「3」。10日、新潟が富山に○勝つか、負けても川崎が三遠ネオフェニックスに敗れれば、マジック「2」、新潟○、川崎●なら「1」。その上で13日のアウェーでの川崎との直接対決に勝てば優勝が決まる。10日、新潟●、川崎○の場合は13日の優勝はなくなる。

◆CS進出 東・中・西の各地区上位2チームと、その6チームを除いた全体12チームの中から勝率1、2位が獲得する「ワイルドカード」の2チームを合わせた8チームが進出し、トーナメント戦で王座を争う。2戦先勝のクオーターファイナル(準々決勝)は4月25~29日の期間に行われる。前節(7日)までに東地区から千葉ジェッツ、栃木ブレックス、アルバルク東京、中地区から新潟、川崎、西地区から琉球ゴールデンキングスの6チームがすでにCS進出を決めている。