世界7位で第4シードの錦織圭(29=日清食品)が、悪夢のツアー本戦初戦3連敗を逃れた。同58位のテーラー・フリッツ(米国)に7-5、6-2のストレート勝ち。3月のBNPパリバ・オープン以来3大会ぶりに初戦を勝ち上がった。錦織はこの大会は14、15年と連覇。16年も準優勝している。

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錦織が、少し安堵(あんど)の表情をのぞかせた。3大会ぶりに初戦を突破。ストレート勝ちは2月のドバイ選手権1回戦以来6試合ぶり。強打の米国の21歳を相手に、ようやく錦織らしい粘りと速い展開のプレーがかみ合った。「調子は悪くない」と大会前に話した言葉を証明した。

第1セットは先にサービスゲームを落とし1-4とリードを許した。しかし、第7ゲームで球を拾いに拾ってミスを誘いサービスゲームを破り返した。5オールからは危なげないプレーで2ゲームしか与えず、ストレート勝ちにつなげた。

昨年9月の全米から9大会連続で8強以上を続けた。しかし、ドバイから突然、失速した。16年に準優勝した3月のマイアミ、昨年準優勝だった先週のモンテカルロとマスターズ2大会で初戦敗退。もし、この試合で敗れていれば10年6月のエアゴン選手権、エアゴン国際、ウィンブルドンと3連敗を喫して以来約9年ぶりの悪夢だった。

フォアが急に不安定になるゲームがあるなど、まだ課題は多い。しかし、今は、どんな形でも勝利が大事。この1勝で自信復活につなげたい。