結婚前に名物社長から御利益を授かった。バンクーバーマラソンで婚約者の水口侑子さん(33)とアベックVを果たした男子マラソンの川内優輝(32=あいおいニッセイ同和損保)が8日、カナダから帰国。

現地でアパホテルの元谷芙美子社長(71)と偶然出会い、交流を深めたことを明かした。

事の発端はレース2日前。セブン-イレブンで買い物を終え、アパホテルグループである宿泊先の大会オフィシャルホテルへ帰ると、帽子をかぶった元谷社長に遭遇した。あいさつを交わすと「私、強運だから絶対優勝よ」と告げられ、キーホルダーと「川内優輝様 強運を掴み 素敵な人生を 元谷芙美子」との直筆のメッセージも添えられた本をプレゼントされた。川内は「日本でお会いしたことないのに…まさかバンクーバーで。すごいポジティブなパワーをいただいた」。その効果もあってか、コースレコードで優勝を果たした。

レース後にも再会。「優勝おめでとう」「結婚もおめでとう」などと祝福され、「好きなものを食べていいから」と夕食をサービスしてくれたという。カルボナーラ、デザートを食べ、ワインも飲んだ。川内は大浴場、温水洗浄便座が完備されるアパホテルをよく利用しているそう。「アパホテルに泊まった時に見ている方がいらっしゃって。しかもいろんなものをいただいて。不思議な気持ちになりました」と回想した。

元谷社長と言えば、自身の顔がパッケージに描かれる「アパ社長カレー」も有名。そして川内もレース前日にカレーを食べるルーティンを持つ。名刺も交換をし、後日、大好きなカレーを送ってもらう約束もしてもらったという。公務員時代は企業からの贈り物は受け取れなかっただけに、これもプロとなった副産物!? 意外なところにも転向の効果があった。

また大会事務局のスタッフの計らいもあり、水口さんらと観光、異文化交流も楽しんだ。帰国も2人同便だった。川内は「マラソンをやっていないとできない体験ができている。楽しさをいろ人に伝えていかないといけない。こういう経験をするためにもマラソンで、結果をしっかり残したい」と語った。