昨季出場停止処分の日大が、法大との今春の最終戦に引き分けた。

ともに攻撃の決定力を欠く中、前半最後に28ヤードFGで先制された。第4Qに攻め込まれるもインターセプト。敵陣まで大きくリターンし、25ヤードFGで追いついた。その後はともにFG失敗など得点できず、3-3で引き分けた。

日大は処分明けの今春対外試合を8勝1分けの無敗で終えた。

日大は最初の攻撃で敵陣深くまで攻め込んだが、ゴール前1ヤードでインターセプトを喫した。ここまでは選手をローテーション起用してきたが、QBは17年に1年で大学日本一に導いた林(3年)が先発でフル出場。橋詰監督は「勝ちにこだわった」が、後半にも2本目のインターセプトを喫し、自慢の攻撃力が不発に終わった。

パス100ヤード、ランは41ヤードしか獲得できなかった。法大の積極的で粘り強い守備に、最後までリズムをつかめず。林は「攻撃は完敗。強引に点をとりにいきすぎた。法大の守備も強かった」と悔しがった。

法大は1年QB平井が先発し、守備もパスで170ヤード、ランも86ヤードと上回られた。最後もTD狙いのパスをカットで引き分けに持ち込んだ。

日本一になった2年前も法大には敗れた。橋詰監督は「準備したことがやりきれていない。負けに等しく悔しい。4年は法大に勝ったことがなかった。最後に勝たせたかった」と残念がった。

今季は1部下位のBIG8となる。上位となるTOP8相手に日体大、慶大を破り、優勝候補の一角の法大と引き分け。橋詰監督は「雰囲気はよくなった。自分たちで修正しようと自主性はでてきたが、考えたことをやる習慣がついていない。負けるよりはいいがまだまだ。試行錯誤はずっと続く」と話した。

大騒動、ブランクを乗り越え、春のシーズンを無敗で終えた。OL贄田主将(4年)は「スタートはしっかりと切れた。守備は自信にしていいが、攻撃は内容でリードされた。まだまだ取り組みの甘さもある。勝つよりはよかったかも」と、先を見据えて引き締めになったと捉えた。

8月には数十年ぶりで、世田谷区の母校グラウンドを離れての夏合宿を予定している。林は「初めてなので楽しみ。きっちりと仕上げてリーグ戦に臨みたい」と、秋の本番への決意を口にした。